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【短編小説】便意

Greece
Greece / aliosa123


カフェで仕事をしている最中、強烈な便意に襲われた。
今ここで便意を我慢し、文章を書き続けてしまったら、絶対に便秘になってしまう。
便秘になってしまったら、便器の上で悶え苦しみ、いきみ、脂汗をかきながら、産みの苦しみを味わう羽目になる。

「それは絶対に避けたい!なぜなら肛門が裂けるから!」

心がそう叫んだ。

わかっている。わかっているのだけれど……。

区切りがついていない状態で仕事を切り上げてしまうのも気持ちが悪い。便意も気持ち悪いが、仕事が中途半端だっつーのも気持ちがわりぃ。

ちょうど今、色々と文章が思いつき、波に乗っているところなのだ。
ここで便意の波に飲み込まれ、そこに波乗りジョニーしてしまったら、仕事を再開するときにまた大きく消耗してしまう。ヤダヤダ、僕そんなのヤダー!!!

イライラしていたら便意の強度が増した。限界を突破して、溢れちゃいそうな気がした…///。

さすがに漏らすのはまずい。

「クソが。」

仕方なしにPCを片づけ、残りのブラックコーヒーをグイッと飲み干し、カフェを出た。

ーー。

ヨチヨチと歩いて、デパートに入った。デパートのトイレは居心地がいいので、ゆっくり便ができる。私はそれを知っている。

ヨチヨチ、ヨチヨチ。あー、もれそう。あー、もれそう。

どんどん気持ちが便意に飲み込まれ、弱気になっていった。弱気なさがと裏腹なままに大腸がうずきまくっていた。

ヨチヨチ、ヨチヨチ。デパートの2階に向かう。ヨチヨチ、ヨチヨチ。

ん。

ふと、「50%OFF」という張り紙が目についた。

ん。

「2点お買い上げでさらに20%OFF」

ん。

私は立ち止まった。そして、あろうことかその店舗にスーッと導かれてしまった。
なんだろう。半額とか50%OFFとか、そういうキャッチーな紙やらシールをみるとね、今までの苦しみが嘘だったみたいにね、スッとどこかに消えてしまうのだよ。

かわいい帽子があった。かぶってみた。あまり似合わなかった。
もう1つの帽子もかわいいと思った。かぶってみた。あまり似合わなかった。

そうこうしているうちに、私が抱えていたはずの便意、うずまき、叫び、それらの類が深い海の底へと沈んでしまったようだった。何もかもが消えてしまった。まったくもって無くなった。

「空虚だ。」
「儚い。」

わたしはそうつぶやいた。

大腸、心、仕事。渦巻いていた波は消え、驚くほどに穏やかになった。
海はぬめって揺れて、光を反射し、ねっとりと私を包み込んでくれた。

少し切ない気分にもなった。
かすかに響く波音を聞きながら、「二度とこのような失敗はしない」と神に誓った。

この文章は、デパートのトイレで音姫を聞きながら書いている。


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