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私の母の短く凄まじい人生



母は18歳で高校を卒業し、21歳で結婚した。
23歳で第一子を出産。その子は最重度知的障害だった。
生まれてくるときにへその緒が首に引っかかり、酸欠状態になってしまったのが障害の原因らしい。女の子だった。

29歳で第二子(私)が生まれた。性別はまた女の子だった。

いつか聞いた話、夫(つまり私の父)が会社を経営しているため本当は男の子が生まれたほうが都合がよかったそうだ。「次女ちゃんが男の子だったらよかったのにね」となんども言われていたらしい。

しかし、こればかりは仕方がない。Y染色体に罪はない。

33歳。第二子、つまり次女、つまり私…が3歳になり、保育園に入園。
私は誰とも口を聞かず、保育園に行くのも嫌がった。母は保育園の友達を家にたくさん招き、どうにか私が友達と仲良く遊べるように、話せるようにと気遣った。

私はそれでも頑なに友達をつくろうとしなかった。保育園に行っても、ただ黙って時間を過ごしているだけだった。

第三子もできたが、その子はこの世に生まれてくることはなかった。

37歳で卵巣嚢腫の手術をした。その年、私は自律神経失調症(だろうという診断が出ていたがよくわからん)で年間20日間ほど学校を休んだ。

39歳の頃、母の母(私の祖母)が倒れた。当時私はまだ子供だったから、なぜ倒れたのかわからなかったが、「植物人間になった」と聞かされたことは覚えている。緑色になってしまったのかと思った記憶がある。

半年ほど経った頃。年が明けてすぐ、祖母は亡くなった。その4日後、母も追うように亡くなった。あまりに急すぎて、どっきりか何かを仕掛けられているのではないかと、思った。

自分の親が亡くなったストレス、祖母の葬式の切りまわしに相当疲弊してしまったのだろう。
氷点下の中をお墓に向う途中、心臓に負担がかかって倒れてしまい、数時間後に亡くなった。一度回復したらしいのだが、だめだったらしい。

ーー。

母は幸せに生きられたのだろうか。

私を身ごもってすぐ、父が勤めていた会社がつぶれてしまい、父は起業することになった。
自分の夫が失業したら、それだけでもつらい。障害を持つ子供と胎児を抱えているときにそんなことがおこったら、なおさらつらかっただろう。

ただ、父は起業してすぐ会社を軌道にのせられたようで、お金ではそこまで苦労しなかったようだ。失業から起業までの間は苦労しただろうけども。

ーー。

記憶にあるのは、母がよく宝石を買っていたということだ。
家に宝石を売る人がよく来ていた。その人と仲良くなっていた。

入信はしないものの、宗教勧誘の人とも仲良くなっていた。
本を買っていた。あれ?入信していたのか?

2人組の女性で、小学校の前でよく勧誘のチラシを配っている人たちだった。
小学校側からは「その人たちからチラシをもらってはいけません」と言われていたのだけれど、いけませんもなにも、家に来てるんだけど…と思っていた。

ミシン売りの人とも仲良くなっていた。ミシンを買ってしまっていた。

買い物して、おしゃべりして、それでストレス発散していたのかもしれない。

謎のサプリや化粧品も、いま思い起こすとたくさんあった。
メーカー名を覚えていたのでそれを調べてみたら「マルチ商法」と出てきた。

母が買った宝石は、母のお葬式が終わったあと、親戚にほとんど持って行かれてしまった。というか、父が「よかったら持って行ってください」と言っていたのかな。あまり覚えていないのだけれど、そうだったような気がする。「なんで持っていくの」と思ったような気がする。

子供の頃の記憶だから、ところどころ間違えているかもしれない。
ただ、母の人生は短かった。私は今年30歳になるが、そのうちの1/3程度しか母と一緒にいられなかった。これからもっと歳をとっていったら、1/4、1/5、1/6と、一緒に過ごした時間の割合が少なくなっていく。そして私の年齢も母が亡くなった歳を越えていく。

母の人生はどうしてこうも短かったのだろう。
つらかったから短くなってしまったのだろうか。運命だったのだろうか。理由なんてないのだろうか。わからない。本人がつらいと感じていたかどうかもわからない。

母が生きていたらどうなっていただろうか。仲良くやれていたのだろうか。私は親孝行できていたのだろうか。わからない。まったくもってわからない。

ただ、母の人生は短かった。母が呆気なく死んでしまったことに、当時は哀しみ、怒り、脱力した。「なんで死んでしまったんだ!」と、この世にいない母を責めたり、「私が苦労をかけたから死んでしまったんだ」と自分を責めたり、ときには「どうして誰もわかってくれないんだ!」と周りにいる人のことも責めていた(チキンだから心の中だけで)。

母の人生は短かった。ただ、母にとっては、もしかしたら長かったのかもしれない。長くて苦しくて……いや、本当のところはわからない。苦しいと感じていたかどうかなんてわからない。ただ、私だったらちょっと耐え難い。なんというか、根性なしのヘタレだから。でも、ぶち当たってしまったら、耐えるしかないよな。……まあ、想像であれこれ書くのはやめよう。母は幸せだったのかもしれないのだから。

おしまい。


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